コロナで思うこと…バリ島のニュピの日

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Nyepi 静寂の日

緊急事態発令が出て1ヶ月を超え、さらに延長。私にとって生活スタイルがこれまでと大きく変わったわけではないのだけれど、いろんなことが頭の中を巡ってる。今、試されているのは自分1人ではなくって、世界中の人びとなんだなーと。

インドネシア、バリ島のお正月、ニュピ(Nyepi)の日をご存知でしょうか?静寂の日、瞑想の日と呼ばれ、例年3月ごろサカ暦のカレンダーによって決められる祭日。全ての活動がストップ。もちろん外出禁止、島全体が静寂に包まれる日です。空港も閉鎖、テレビも止められ、この日は1日中電気もガスも使えず家の中で瞑想をする日。エリアを取り仕切るバンジャール(町の青年団みたいにもの)が、見回りをして人が外を出歩いていないか監視し、生活の音や匂いを見つけたらすごい勢いで注意をして回る。

バリ島に住んだ4年間、この日は毎年楽しみにしていた行事の一つ。バリ人に聞いた話によると、このニュピの由来はバリ島の神様が大掃除をする日で、悪霊がこの日は1日かけて島中の人間を連れ去ろうとするので、悪霊たちが完全に去るのを静かに瞑想して待つ日。その日が終わると晴れて新たな年の始まりというわけだ。ニュピを初めて経験したバリ島1年目の住居は、ジンバランと言うバリ島の南に位置する山の上のバリ全島が見渡せるヴィラだった。ニュピの日は、近所の牛の泣き声だけが聞こえ、生活の音は何もしない島をその山の上のヴィラがらずーっと見ていた。太陽が沈んでも民家の明かりはつかず、人の気配は一切ない。島と海の境もなくなり、ただ暗闇に包まれていく。空一面に広がる星は、手を伸ばせば届く気がするくらいまで近くに降りてきていた。

実際のところ、インターネットは繋がるのでYoutube見たりしてはいたのだけど(笑)、このニュピほどお正月にふさわしい日はないんじゃないかと思う。思えば私が小さい頃は日本もお正月の3日間はほとんどの店が閉まっていた記憶もあって、大晦日の日は3日分の食事を用意する忙しい母を手伝ったような手伝ってなかったような(汗)。そのせいか今でもお正月の朝は、みょうに神聖でいつもの休みの日とは違う空気を感じるのは私だけだろうか?

みんなが一斉に動きを止めて足もとを確認し、感謝する。今のコロナ生活が私にはどうしてもこのニュピの日のことを考えてやまないのです。たった1日の外出禁止の“祭日”とは比べものにもならない状態だけど、今まさに地球上をコロナと言う悪霊(この言い方もちょっと違うけど)が飛び回っていて、私たちは身を潜めておくべき時。地球の大掃除のためには必要不可欠な出来事なのかも知れないのかなと。何しろ地球はずっと悲鳴を上げて、いろんな形で私たちに警告を出してきているのに、私たちは聞く耳を持たなかったのではないか。大掃除という転換期がどのくらいかかるのかまだ見えていないけど、確実に終息は訪れる。その先には新たな夜明けみたいなものが待っている…

バリ島旅行をお考えだったら、是非3月のニュピを経験していただきたい。ホテルはライティングをかなり落として通常通り営業はしているけど、できればプライベイトヴィラに泊まって、島と共にその日を過ごすことをオススメします。

Peace in your mind, peace in your word and peace in your heart. Namaste

Love Rika